「わたしは、その覚悟がない……っ」
「覚悟?」
「漣くんと秘密で付き合うことに。退学に怯えてお付き合いを続けるくらいなら……」
「なら?」
漣くんの声のトーンは一定して変わらない。
でもわたしの言葉が彼を傷つけてしまってることは明白だから。
いっそのこと、このまま嫌われちゃった方がいいのかな……なんて。
そしたらこんな、心にぽっかり穴が空いたみたいな苦しい気持ちに惑わされなくてすむのかな。
「今までのことはなかったことにして、お互いただのクラスメイト同士に戻った方がいいんじゃないのかなって……」
ごめん。
ごめんなさい、漣くん。
あんなにまっすぐ想いを伝えてくれたのに。
あんなに本気だと教えてくれたのに。
わたしにはその想いを受け入れられる覚悟が足りないから。
「っ、ごめんなさい、漣くん……っ
別れて……ほしい、ですっ……」
本当に。
本当にごめんなさい……っ
ぎゅっと目を瞑ったまま深く深く頭を下げた。



