それから沈んだ気持ちのまま、東屋にやってきた。
「お別れしちゃったら、もうここでふたりで会うこともなくなるんだよね……」
学校で待ってようと思ったけれど、もしすずちゃんたちにばったり会って、
「帰ったんじゃなかったの?」
って聞かれたら、なんて答えればいいか分からないし……
それに今はなんとなく一人になりたい気分だったから。
さっき漣くんが教室を出ていく直前。
スカートのポケットに入れていたそれを広げる。
『旧校舎の図書室ね、了解。
委員会終わったら走ってく』
わたしの手にそっと置かれたルーズリーフ。
「走ってく」
なんて。
“ 早く会いたい ”って、言ってるみたいな。
ドキッとするようなこと、言わないで……。
目の前に江川くんたちがいたっていうのに、ほんとにスマート。
秘密の関係っていうのに、罪悪感はもちろんあったけれど……
こうして紙でやり取りすることに、実はちょっぴりドキドキしちゃった自分がいたのも事実。
結局メアドを教えてもらうこともなかったから、今日で本当に、漣くんとのつながりが完全になくなっちゃうんだよね……



