「さっき俺のこと呼んだでしょ」
「あっ、そっ、それは……」
「もしかして……やっぱり俺と勉強したくなった、とか?」
「ちっ、ちがっ……」
もしかして。
江川くんが、何度もわたしに話しかけてきた理由って……
「……海凪が困ってたから、だからっ」
「え?」
「勉強に付き合ってあげるの!」
慌てたように、急に早口&手振りが大きくなったすずちゃん。
「うん」
今度はいつも通り、ふふっと笑う江川くん。
「じゃ、じゃあわたしはこれで……」
なんだかいい雰囲気、みたいだしね?
「気をつけてね、海凪」
「またね、向坂」
「ふたりともまた月曜日にね」
そしてササッと荷物をまとめて、そそくさと教室を出た。



