校内だし、職員室の目の前ということもあって特に話しかけてこない漣くん。
さっきのふたり……
姿は見えなかったけど、今から退学させられるってことだよね……?
「校内で抱き合ってた」
たったそれだけで。
「恋愛禁止」という校則があるせいで、たったそれだけなのに退学させられるんだ。
わたしたちも……
「向坂?どうかした?」
「い、いや……なんでも」
ふと横を見上げた先には漣くん。
もし万が一。
もし万が一、校内で会ってないとはいえ、東屋でのことが誰かに見られたら。
もしわたしたちが付き合ってることがバレてしまったら。
退学、になってしまう……
「さ、漣くん……」
「ん?」
相変わらず、クールなまなざし。
今、なにを考えているの?
涼やかで淡々として、無表情。
笑顔もあたたかさも感じないその表情の裏で、漣くんは、さっきのを見てどう思ったのかな。
「ちょっと、こっち……」



