「だめ」


「へっ?」


クールとは真反対の最上級の微笑み。


「だめ、とは……?」


「まだ帰さないよ」


「で、でもわたし用事が……!」


「用事ってなに?
教えて?俺に」


「………」


こんな時、スラスラ言葉が出てきたらいいのに。


「恥ずかしいのは我慢な。
やっと海凪を補給できつつあるから、もうちょい俺に付き合って?」


「具体的にそれはどのくらいの時間……」


「んー軽くあと1時間は……って言いたいとこだけど、海凪が限界そうだからやめとく」


なんだ。

よかったああ……


「だから、今日はこれで許してあげる」


「え」