「そ?
まあでも、その通りだよ」
「どういう意味……?」
「海凪が好きすぎて、どうにかしてるってこと。ちょっと離れるだけでも心配になるくらい」
「っ!!」
ゆっくりゆっくり離れた漣くん。
けれど、また手を握られて。
っ、そんな目で見ないで。
愛おしいと言わんばかりのまっすぐなまなざし。
顔、赤くなっちゃう……
「席が遠い分、もっともっと海凪に近づきたくなる」
あ、だから……
「昨日も今日も、こっち見てたの……?」
「そう。
ついこの間席替えしただろ?
海凪と俺、一番遠い」
テストが始まる前日にした席替え。
わたしは廊下側の一番前。
漣くんは窓側の一番後ろ。
教室内で言ったら、一番関わらない席同士。



