悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。

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さわさわと涼しげに木々が揺れて、優しい風が頬をなでていく。


やっぱり今日もだれもいない。


漣くん、勉強でもして待ってるかな。


自分から会いに行くのは初めてだから、なんだか変に緊張する……。


心臓が急に高鳴ったのと、

目的地が見えて思わず立ち止まった時。


「やっときた」


「ひゃっ!?」

ふわっと後ろから手が伸びてきて、ぎゅうっと包み込まれる。


「なにその声。
超かわいーんだけど」


「うっ、後ろからはやめて……っ」


「海凪弱いもんね」


クスッと笑う声が耳元でする。

ううっ、またやられた……


「あ、東屋にいると思ってた……」


「さっきまでいたけど、遅いから学校までいこうと思ってこっちまできたんだよ」


「ま、まだ1時間しか経ってないよ」


にしても近い。

近すぎる……!


体はピタッとくっついているし、耳に息がかかってくすぐったい……っ