「うんうん、ここはこの公式を当てはめて」
「あー、モル計算!
一回理解できたらあとは簡単だよ」
「うっわ、さっすが海凪っ!
めっちゃわかりやすい!!」
「えへへ」
それから勉強を始めたわたしたち。
元々飲み込みが早いすずちゃんは、ほんの少し教えるだけですぐに理解できたみたいで。
「ありがとう海凪!
助かったよ!」
「どういたしまして」
スッキリした表情のすずちゃん。
うん。
やっぱり笑顔が似合うや。
「思ってた以上に早く終わっちゃった」
「すずちゃんががんばってる証拠だよ」
「ふふっ、ありがと。
海凪に言われたら説得力あるなー」
「もうっ、なにそれ」
机を元に戻して帰り支度を始める。
「海凪どうする?
もうちょい残ってく?」
き、きたこの質問……!
「う、うん。
すずちゃんは?」
残るってなったら絶対ふたりで帰ろうってなっちゃう……
「弟たちのご飯作らなきゃいけないから、今日はもう帰るよ」
「そ、そっか」
「海凪も暗くならないうちに帰りなよ?」
「ふふっ、なんだかお母さんみたい」
「まあ、三兄弟の一番上ですから」



