「にしてもすごい人気ねぇ」


すずちゃんの目線の先には漣くん。



まだ入学して2ヶ月だけど、中間でもそれ以外の小テストでも。


不動の一位をキープ中の漣くんは、容姿と成績のダブルパンチで女の子たちから絶大な人気を誇る。


しかも委員長までつとめてて。


まさに、イケメン優等生って感じ。


「けどまあ、誰も告白しないって分かってるから、みんな好き放題に騒ぐんだろうね」


「そうだね」


「海凪は漣とはライバル同士だし、イケメンだろうと興味ないか!」


「ま、まあね……」


そんな会話をしていると、数学担当で担任の八雲 湊(ヤグモ ミナト)先生が教室に入ってきた。