「そう、だったんだ……」


その日のお昼休み。

わたしは浬々ちゃんと屋上に来ていた。


「急に理事長と会うことになって、さすがにびっくりしたよ」


「うっ、それはごめんなさい……」


実際のところ、浬々ちゃんに見られてしまったことは、七流くんが直接理事長に伝えたらしく。

その話の確認に、浬々ちゃんは呼ばれたんだって。


「ごめんなさい……てっきりわたし、浬々ちゃんとばかり思って」


「いいよ、ぜんぜん。
元々漣くんから知らされてなかったんでしょ?だったら情報源は私だと思うのが普通だよ」


青空の下で、浬々ちゃんの黒髪が風に揺れる。


「ごめんね、いろいろ意地悪して」


「えっ……?」


髪を押さえながら、浬々ちゃんは悲しげに笑った。

「なんとなく、ふたりはつきあってるんじゃないかなって思ってた。漣くん、いつも海凪ちゃんのこと見てるから」


「っ……!」



「この間の勉強会のときも、ふたりが同じタイミングで帰ったでしょ?海凪ちゃんの体調不良はわかるけど、なんで漣くんまで?って」


言われてみれば、確かに……。


「確信したよね。ふたり、できてるなって」


「で!?」


浬々ちゃんの言葉づかいが絶妙すぎる……。