すべての話がわかった途端。
「っ、海凪!?」
「あっ、ご、ごめんね……別れなくていいと思ったら、安心して力、抜けちゃって」
「はぁ……」
くらっとめまいがしたけれど、七流くんが受け止めてくれた。
「ほんっと、いい彼女さんじゃないか。
海凪さんは学年でも2位の成績だと聞いてる。勉強はもちろんだけど、七流のことも、よろしくお願いします」
「えっ、あっ、頭上げてください……!」
理事長に頭を下げられてはさすがにこっちが萎縮してしまう。
「おじさん……楽しんでるだろ?」
「あ、バレた?
いやー、七流のお母さん、私の姉がね、海凪さんがどんな子か知りたいって言ってて。まさかこんな素晴らしいお嬢さんだと思わなかったよ。七流が好きになる気持ちも分かるなぁ」
「どんだけ歳離れてると思ってんの、犯罪だよ」
「冗談だって」
そんなに怒んなよ七流ー。
なんて理事長は体をクネクネさせている。
なんだか七流くんがため息をついていた理由、わかる気がするなぁ……。



