声も震えていたし、漣くんと別れなきゃいけないって思ったら涙も出てきて。
自分のありったけの思いを伝えるしかなかった。
「頭を上げて、海凪さん」
「っ……」
理事長の声が震えている気がした。
だめ、だった。
わたしの思いは伝わらなかった。
ぎゅっと唇を噛みしめて、ゆっくり頭を上げたら。
「っ!?」
目に飛び込んできた光景に、開いた口が塞がらなかった。
「あの、理事長……?」
「いい彼女さんじゃないか、七流。
感動して、年甲斐もなく泣いてしまったよ」
「えっと、あの……っ、」
思わず目が点になる。
未だ目をうるうるさせてる理事長と、ため息をつきながらティッシュを差し出す七流くん。
「あ、あの……っ、退学なら覚悟は決まっているので、」
そう言うと。
「ああ、あれね、うそだよ」
「えっ……?」



