「とりあえず、座ろうか」
「えっ、で、でも……」
「いいから、いいから」
理事長さんが目の前にいるのに、一生徒が座るのは失礼に当たるんじゃ……。
「せっかく甥っ子の彼女さんがいるんだし、ゆっくり話がしたいから。ね?」
「わかり、ました……」
ほんの数秒前はふたりの関係に驚きしかなかったけれど、今はもう緊張しかない。
きっと今から退学だって、七流くんと別れるように、言われるんだって。
そう思ったらまた泣きそうになったけれど、ぎゅっと唇を噛みしめて、なんとか堪える。
「早速だけど……ふたりでいるところを、さっきの子、今地さんに見られたんだって?それは間違いないね?」
「は、い……」
やっぱり浬々ちゃん、八雲先生に話したんだ……。
「じゃあ海凪さんに質問」
「はい……」
「私が、七流と別れてくれって言ったら、どうする?」
「っ……!」
「七流か、自分の学校生活か。どちらか一方は捨てなければならないと言われたら、どうする?」
どちらか一方を……。
ふたりはじっとわたしを見ている。



