悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。



「君が、七流とお付き合いしてくれてる、海凪さんか」


「はい……っ、え?」


今、なんて……。

聞き間違えじゃなかったら、この男の人今、七流って……。


「おじさん、まだ向坂に自己紹介してないよ」


「あれ、そうだったっけか!」


あはは!これはすまない、と豪快に笑う男の人と、ため息をつく七流くん。


え……?
ま、まさかおじさんって……。


「八雲 洋(ヒロ)と言います。海凪さんの担任の八雲湊は息子で、七流は甥っ子です」


「えっ……ええっ!?」


こ、この人が……!?

一気にドヨンとしていた気持ちや涙が驚きで引っ込む。


確かにふたりに似てる……。


「え、じゃ、じゃあ……前に漣くんが言ってた叔父さんっていうのは……」


「そう、この人」


60歳ほどの八雲さんは、笑うと何倍も若く見える。


「この東宮高校の理事長をしてます。
よろしくね、海凪さん」


八雲さん改め、理事長はわたしを見てニカッと笑った。