七流くんは……。
まだ、来てない……。
浬々ちゃんは……。
浬々ちゃんも、来てないんだ……。
キーンコーンカーンコーン。
「あっ、チャイム鳴った」
「海凪も。またあとでね」
「はーい、みんな席つけー」
八雲先生が入ってきて、いつものHRが始まる。
「……じゃあ、今日の連絡事項はこれで終わり。
今日は俺、ちょっと急な会議が入ったから、一限目は自習なー」
ワッと教室中が騒がしくなる中で。
八雲先生と目が合った気がした。
「向坂、今日の日直頼むなー」
ポンっと置かれた学級日誌。
それを開けば小さなメモが入っていて。
『一限目の自習、職員室』
そう、八雲先生の字で書かれていた。



