翌日。
「おはよー!」
「おはよう!
もうテストまで1週間だよね!?
あー、ほんとにやばい!」
校門が近づくにつれて。
同じ制服を着た子の声がいくつも聞こえてくる。
今日でこの制服も着納めか……。
早かったなぁ……。
まだ1年の一学期だよ。
まだ数ヶ月しか高校生してないのに。
すずちゃんとも。
江川くんとも。
そして、七流くんとも。
みんなとお別れ。
「あっ、海凪!
おはよー!」
「おっ、向坂おはよう!」
教室に入った途端、明るく声をかけてくれるふたりに、また目元が熱くなる。
「どう?体調は?
海凪、中学の時もほとんど休んだことなかったから、心配で心配で」
「確かに。
ちなみに俺は皆勤賞だけど」
「へー……いらない情報、ありがとう」
「それは失礼じゃないのかね、小山さんよ」
ふたりのテンポのいい会話を聞いていたら、一昨日のことは本当は夢なんじゃないかと思ってしまって。
また、無性に泣きたくなった。



