「一つだけ、教えて……っ」 「……なに」 「もし、もしも……私が……っ、漣くんのことを、ちゃんと見ていたら」 「……」 「私のこと、好きになってくれた……?」 「ならない。 俺は海凪しか好きにならないし、海凪しか見えてないから」 「わかった……」 それだけ言うと、走って教室を出ていった。 「っ、はぁ……」 教室が静かになった途端。 深く、深くため息をついた七流くん。