言葉も。

落ちてくる優しいキスも。

とろけたハチミツみたいに甘いまなざしも。


ぜんぶがすき。


「朝はあんなに勉強してますオーラ出してたのに、急に好きとか、かわいすぎて死ぬんだけど」


好きって気持ちが涙となって流れ落ちて。

目元を拭う指がくすぐったくて、手を伸ばそうとして。


「イメチェンした理由、気づいてたの……?」


「まあね。
俺から離れるためーってとこかな?でも、これで完全に離れなくなっちゃったね」


ゆっくり外されたメガネが、サイドテーブルに置かれる。


「この髪も。
かわいすぎるから、俺とふたりのときだけ」


三つ編みもゆっくり時間をかけて解かれて。


「こんな俺を知ってるのは海凪だけ。今もこれからも海凪以上に俺を知ってる人はいないってくらい……」


「独り占めして」


俺も海凪のこと、独り占めしたいから。
ずっと、俺の唯一でいてよ。


「さざなみ、くん……っ」

「好きって言ってくれて、ありがとう。
俺、めちゃくちゃ幸せ」


そして。

目を細めて、華が咲いたみたいに明るく笑った漣くんは。


「俺を嫉妬させた分と好きになってくれた分と。
ぜんぶ合わせて甘やかしてあげる」


わたしに、どんなスイーツよりも甘いキスを降らせた。