「まあ、そういうことだから。
七流もいいって言ってくれてるし」
「うん」
やっと喋ったと思ったら、表情も変えず一言のみ。
クールだなぁ、ほんと。
「分かった。
でも、海凪はほんとにいいの?漣のこと、きら……んんッ!ライバル同士だし」
「う、うん……」
今、きらいって言おうとしたよね!?
怖くて漣くんの方見れないんだけど!?
「大丈夫だよ、小山」
「っ!?」
なななっ!?
「ライバル同士って言ったって、別にお互い嫌いあってるわけじゃないし」
私の片手をとり、口元まで持っていくと、
「ね?向坂」
満面の笑みで、スリスリと親指でなでられる。
すずちゃんが目の前にいるのに、なにしてるの……!?
「そうなの?
海凪から話聞いてる限り、てっきりそうだとばかり思ってた」
すずちゃん!?
どうしてそんな平然としていられるの!?
今手の甲にキスされたんだけど!?
江川くんは笑いを堪えきれていないし、
「へぇ……」
漣くんからはものすごい圧力を感じる。



