悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。

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「「はぁ……」」


「どしたの海凪、ため息なんかついて」


「すずちゃんこそ、どうしたの……?」


「んー……」


お昼ご飯を食べ終わって、トイレから教室に戻る途中。


どうしたんだろう?

煮え切らない返事に、すずちゃんの視線を辿ると。


「あ……」


江川、くん……。

中庭にあるバスケコートにたくさんの女の子が集まっている。


「江川うっま!
なあ、バスケ部入んねえ?」


「ごめん、気持ちだけ」

「うわ、もったいねー」


どうやらバスケ部の人たちと、3on3をしているらしく。


「江川くーん!
がんばってーーー!!」


「きゃあ!
腕まくりやっばい!めちゃくちゃエロい!」


身長も高いし、元々の運動神経もあってバスケ部の人と同等、もしくはそれ以上のレベルで。


「江川っ!!」



だ、ダンク!?

流れるように吸い込まれるボール。


「きゃあああーーーー!!」


決まった瞬間、辺りは黄色い悲鳴と歓声に包まれて。


「やるじゃん、江川!」

「ははっ、まぐれだよ」


その中心では江川くんが、同じチームの人に腕を回されて、照れくさそうにでもとても嬉しそうに笑っていた。


「す、すごい……っ」


わたしも思わず窓から身を乗り出してしまうほど圧倒された。