「はー……やっっっとふたりになれた」
「っ、漣くん……」
ドアが閉まった途端、
囁くような声のあと、またぎゅうっと力がこもった。
江川くんにも見られるしで、もう恥ずかしくてどうにかなりそうで。
早く、離れたい……。
「わ、わたしたちも戻ろうよ……」
「まだだめ。離れたくない」
ううっ……。
ポンポンとお腹の前に回った腕を叩くけれど、もちろん効果はなくて。
「でも、もう少しで授業……」
「はー……四六時中海凪とくっついてたい」
「ええ……」
話聞いて?
というか、それは普通に困る。
心臓に悪すぎるから……!
「教室行ったらまた離れ離れ。もうずっとこうやってイチャイチャしてたい」
か、髪が………。
肩に乗せられた頭のせいで髪が首にあたってくすぐったい。
「放課後毎日、だからね」
「え?」
「テスト勉強は分かるけど、俺がもたない。海凪不足で」
ま、毎日って……。
毎日!?
「早く海凪から好きって言ってもらいたい」
「っ……」
「好きだよ」
「へ?」
「すっげえ好き。
まじでかわいい」
「っ〜!!」



