にこっと微笑む江川くん。
なにやら漣くん以上に不穏なにおいがするのは気のせいですか……。
「昨日のもさ。
俺とふたりだって分かったら向坂、足腰使い物になんないと思って、七流と代わったの」
「え?」
なんでここで足腰?
「それで俺と代わったの?変態じゃん」
「どっちが。そもそも誰かさんが独占欲丸出しで隠すつもりないのが原因」
「だってかわいすぎんだよ」
「結局そこに行きつくんだ」
え?
ほんとになんの話してるんだっけ……?
「完全に置いてけぼりくらっちゃってる。
とりあえず、向坂」
「う、うん?」
「俺が引くほど、まっっじで向坂にベタ惚れみたいだから、これだけは言っとく」
「う、うん……」
「足腰、大事にね」
「散れ」
漣くんの地を這うような声がした。
うん?
だからなんでここで足腰?



