さすがにこの体勢は恥ずかしい……。
顔が見えてないとはいえ、目の前には江川くんがいるし、背中には漣くんがぴったりくっついてる。
朝から刺激が強すぎて、頭おかしくなりそう……。
「やっぱ俺、教室戻っていい?」
「このままで!
このままでいいから、教えてください!」
「いや、うん……
向坂がいいなら、いいんだけどさ……」
言いたいことは分かるよ、江川くん……。
今もわたしの肩に頭をのせて、ずっと黙ったまま。
離してくれる気はないらしい。
「まあ、いっか。
七流のこんな一面見れて俺も満足だし。
で、あー……俺がなんで知ってるのか?だっけか」
「はい……」
この際漣くんのことは一切無視だ!
「直接七流から聞いたわけじゃないけど、見てれば分かるよ」
「え?見てればって……?」
「七流はずっと……そりゃあもうずっと、向坂のこと見てるから。明らか他の女子に向けるものとは違う」
「ええっ!?」
見てるって……。
江川くんが気づくくらいだから、そんなに!?
「俺が向坂と話す度に不機嫌だし、ちょっと近づくだけでめちゃくちゃ怖い顔してるし」
「いちいち近いんだよ」
「彼女が他の男と話してるのでも無理な話?」
「そうだけど?
つーか岬の場合は、分かっててやってただろ」
「まーね」



