それから少しして数学準備室に着いた。
ガラッとドアを開けて漣くんから中に入る。
「ドア、閉めて」
「え?
でもすぐに出るし……」
「いいから」
ん?
ハテナマークを浮かべながらもドアを閉める。
それを見た漣くんは、机の上にドサッとダンボールを置いた。
「あの、どうして漣くんがお手伝いに?
てっきり江川くんが来ると思って……」
と聞こうとした瞬間。
「さ、漣くん……!?」
視界いっぱいに映るのは制服のシャツとネクタイ。
それに耳にかかる甘い吐息。
だ、抱きしめられてる……!
「さ、漣くん、ここ、校内……っ」
「知ってる」
「だめ、だよ……っ」
「なんで?」
「なんでって、だれかに見られちゃうかもしれないから……っ」
「大丈夫。
ドア閉めたし」
えっ……?
ドア閉めてって言ったのって、このため!?



