「………」
すっごい渋い顔してる。
「えーと……」
「……向坂」
「はいっ!」
その顔がとんでもなく怖いと思うのはわたしだけでしょうか。
「この間伝えたこと、もう忘れた?」
声が低い……
頬は引き攣り、眉間はピクピクしてる。
笑ってるのに笑ってない。
それが一番恐ろしい……
「わ、忘れてはないけどっ」
「けど?なに?」
ベンチに手をつき、ググッと距離を詰めてくる。
「その……なんでわたしなのかなって…」
そもそも中学の時だって、話したことさえほとんどなかったはず。
高校に入ってからもそう。
こんなに完璧な人が、どうしてわたしを……



