あの後一応先生のところに言って確認したけれど、もちろんそんな事実はなくて。
「あー、あれね。
小山には悪いことしたって思ってるよ」
「な、なんで嘘ついたの?」
わたしとしては、すずちゃんの気遣いを無下にしてしまったみたいで罪悪感が……
「小山、男に会いに行くって言ってただろ?」
「聞いてたの?」
「聞こえただけだよ」
ほんとに?
ジト目で見れば、ほんとだよとはぐらかされるだけ。
「小山に会いたいって言ったくせに、その男が向坂を好きになる可能性だってあるから」
ん?わたしが……なんて?
首をかしげれば、分かってないなぁって苦笑いされた。
「俺はさ。向坂が、彼女が他の男と話してるのでさえ無理。というか視界にだって入れてほしくない。ましてや、気に入られる?冗談じゃな……」
「ちょっ、ちょっと待って漣くん!」
なにやら急に饒舌になり始めて、慌ててとめる。
「ひ、一つ質問させてください」
「うん。なんなりと」
「私たちって、その……付き合ってるの?」



