瞬間。
ピシッとその優しい表情が固まった気がした。
「……」
「……」
「あ?」
「え……?」
10秒ほど過ぎたあと。
今、すっごく低い声が聞こえたような……。
「ねえ、海凪」
「はっ、はい……」
「俺さ、やっと……やっと海凪と付き合えてこれ以上にないほど幸せで。昼休みのことがあったけど、海凪も俺と付き合うことに覚悟を決めてくれたと思ったわけ」
「う、うん……」
なにやらたたみかけるような声の圧迫感に、いつの間にかわたしはカーテンで遮られた窓と、
「ちっ、近いよ、漣くん」
「そりゃ、近づいてるからね」
どす黒いオーラをまとっためちゃくちゃ笑顔の漣くんに挟まれていて。
「うっ…あ、えっと……」
慌てていたら、サラリと横の髪を耳にかけられた。
「海凪」
「漣、くん……?」
「俺から離れるなんて言う悪い子には、
おしおき……しなきゃね」
耳元で脳まで震えるくらい甘ったるい声がしたと思ったら。
「さ、漣く……んんっ!?」
伏せられた長いまつげがドアップに映って。
「んんっ……やっ、……ぅ」
抵抗する暇もなく、窓に両手首を押しつけられる。



