「高校、どこ行くの」
「こ、高校……?」
「そ。どこ?」
「ど、どうして急に……?」
「いーから。教えて」
「東宮、高校……です、けど……」
「……」
よりにもよって、あの学校……
向坂にバレないよう、内心ガクッとする俺。
なんてったって、『恋愛禁止』で有名な学校。
県内有数の進学校にある、唯一の規則。
それを向坂が知ってて志望してるのか、知らないまま志望してるのかはわかんないけど……
「お互い、頑張ろうな」
「え……?」
勉強するのは嫌いじゃなかったし、上へ行けるのならばどこでもいい。
そんな考えだったけど、今この瞬間に志望校が決まった。
そして同時に、ふと思い浮かんだ真っ黒で醜い考え。
自分でも引くくらいのそれは、向坂がほしくてたまらないという強い気持ちから出たもの。
『恋愛禁止』なら、逆に都合がいい。
詳しい内容はわからないけど、向坂に近づく男が一人でも減るのなら、それに越したことはない。
この子を。
向坂を絶対に他の男なんかに渡したくない。
俺だけを見て、俺のことだけを考えててほしい。
こんなに独占したいと思ったのは向坂が初めてだから。
俺にたくさんの初めてをくれたこの子を、絶対に自分のものにしたい。



