【七流side】
今でも鮮明に覚えてる。
あの日、海凪が俺に言ったこと。
「漣くん!
ここ教えて〜!」
「……」
また来た……
受験生で、自分の勉強で精いっぱいなのに。
勉強なんか、はなっからする気ないくせに、容姿が整ってるからなんて理由で、毎日のように女がたちが勉強を教えてくれと媚びを売ってくる。
「離れてくんない?」
「えーー、いいじゃんべつに!
こういうの、内心嬉しいんでしょ?」
ばかじゃねーの。
中3の11月。
入試までもう数ヶ月で、推薦でもないくせにいつまでも遊んでばっかで。
そんなやつに真面目に教えるほうがアホらしい。
どうせ俺の容姿目当てのくせに。
「ねえねえ!ここ教えてよ!」
しつこい……
いくら顔をしかめても、
ぎゅっと腕に抱きついてきて、これでもかってくらい胸を押しつけてくる。
「……」
こんなんで俺がなびくわけなんかないのに。
むしろ、不愉快。



