「前に聞いたよな、俺に」
「えっ……?」
「なんで自分なのって。中学の時もほとんど話したことなかったのにって」
だって中3のとき同じだったけど、話した記憶がないのは事実だから。
「海凪は覚えてないみたいけど、1回だけ話したことあるんだよ」
「え……」
「まあ、1回きりだし覚えてないとは思ってたけど。海凪、放課後よく教室に残って勉強してただろ?」
「そ、そうだけど……」
家に帰ったら絶対テレビ見ちゃうし、眠くなっちゃうから、残って勉強してた。
でもどうしてそれを、接点のなかった漣くんが知ってるの……?
「俺、あの時も委員長だったから帰りが遅いこと結構あって。同じクラスだったし、いやでも目に入る」
「な、なるほど……」
「けど席も近くなかったし、話すことなんかなかった。けどそんなときに……」
「っ!!」
じっと見つめてくるそのまなざしに、一瞬熱がこもった気がした。
「放課後、海凪とふたりになった時があったんだよ」



