オオカミボーイフレンド

だが、すぐに銀星が追いついて来て、私の腕を掴んで引き止める。


「……どうした。なんで泣いてる」


泣いてなんかいない、と言おうとした喉が震えている。胸に何かが詰まったみたいに息苦しい。


その時私はようやく、銀星に他の女性が近付くことが嫌だと思っている自分に気がついた。


人が行き交う中、銀星は着ていた上着を脱ぐと、私の身体を包み込むように羽織らせた。
よく見ると、私のTシャツの一部が破けて脇腹の辺りが丸見えになっていて、それを隠すために上着を貸してくれたのだと悟り、その気遣いにまた泣きそうになってしまう。


銀星は俯く私を抱きしめて、髪を撫でながら小さく囁いた。


「どこにも行かねぇよ。ずっとお前の側にいる」


まるで私の不安を見透かすように、今一番欲しい言葉をくれる。
好きだとか愛してるとか言われるよりも、よほど私の心には響いた。