「美羽……目を開けろ」


聞き慣れた声に名前を呼ばれて、うっすらと目を開けると、目の前に銀星の顔があり、私を食い入るように凝視している。


「……なんで、あんたがここに……」


私が目を瞬かせて聞くと、銀星はほっと息を吐いて、労わるように私の髪を撫でた。


「……悪かった。もっとちゃんと、賢翔を見ていればよかった」


銀星が私に謝ったのは初めてのことだった。
まるで自分が怪我をしているみたいに顔を歪めて、私の身体を大事そうに抱きしめる。


その温もりに安心した私は、再び涙が溢れ出るのを止められなかった。
それに気付いた銀星が私の顔を覗き込む。


「……泣いてんのか」


「……っ、泣いてない……」


私は泣き顔を見られたくなくて両腕で目元を隠すが、銀星は私の腕を無理やり退けて「見せろ」と言った。


「お前のどんな顔も、俺は知りたい。だから、俺の前では隠すな」