[歪なサバンナの夢]

イデアルは自宅の和室で就眠していた。
深夜である。

イデアルは白い鍾乳洞のなかで両親の遺体が安置されている夢をみる。洞窟の鍾乳石から炭酸カルシウムをふくんだ乳白色の雫が死せるイデアルのからだにぽつんぽつんと降り積もる。

と舞台はサバンナに移る。

見知らぬ動物が贄として屠られていた。イデアルはその動物の長だった。イデアルはかつて動物を守ろうとして戦い、そして最後は傷つき地に伏せ倒れ動けなくなっていた。

歪なサバンナの夢だ。だが、サバンナが後世のイデアルに力を与えた。そしていまのイデアルがいる。