[テラ]

「はあ」と長月遥。
開いていた小説の頁をぱたんと仕舞う。

「不機嫌そうだな」とイデアル。

「分からないのよ。
良い小説を読んで、良い音楽をクローズさせて聴きたいだけ。
今の技術はオープン化され流れが速すぎる、とそう思う」と長月遥。

「技術開発はあまり深く考えられたものではない。
長月さん、あなたを含め人類はいわゆる人間らしい、ということなんですよ」とスプーンでプリンを食べながら地球の王女さまがいう。

地球の王女さまとふたりは知り合いである。