[鳥のこと]

静閑な住宅地の一角にイデアルの住居はあった。

イデアルは朝起きるとメールチェック。
(何も起こっていない)

ビーフシチュー。
クリスマスイブのバカ騒ぎ。

苦々しく思い出す。思い出すような、そんな必要はないのに。

その日イデアルは訪問者である、長月遥と会話をする。

客間で。

庭からは鳥の鳴き声が聞こえる。

ふとイデアルはその静けさこそが人生で望んでいたことではないか、とそう感じる。

鳥を知りたい。とイデアルはそう感じた。