片桐くんの愛は意外にも一途でした

「両手を俺の前にだして。いきなり離したりしないから心配しないでいいよ」


「ありがとう」


私は片桐くんと手を繋ぐ。


片桐くんの手、ごつごつして男の子らしい。

小さい頃とは全然違う。


それに比べて私は子供っぽい、な。


「バタ足できる?ゆっくりでいいから」


「そのくらいならできるよ。片桐くん、私をなんだと思ってるの?」


「えっと、カナヅチよりも重くて……」


「そんなに私重かった?」


「ううん、そうじゃなくて。泳ぎが下手以前の問題だなって」


「ひ、ひどい」


「ごめん。ストレートにいう以外見つからなくて」


たしかに下手なウソをつかれるよりはマシだけど。


「でも泳げなくても雨音は可愛いし、溺れそうになったら俺が人工呼吸で助けてあげる。そしたらキスできるしね」


「っ……!」


私とキスしてもいいことなんて一つもないのに……。

なんでそんな嬉しそうな顔をするの?