冬の花

「ふーん。
自分の住んでる村の警察官が女子高生に手を出して、とか、この村のイメージが最悪だし」


「大丈夫、そんな事は絶対しないから」


そう言って笑ってる阿部さんの顔を見ていて、泣きそうになってくる。


佑樹は、この村自体自分達一族の物だと思っていて風紀の心配をしているのか、
ただたんに、私に対しての嫌がらせの発言なのか分からないけど。


最悪。


佑樹は私が阿部さんに好意を持っている事を気付いているけど、
阿部さんは気付いてないだろうな。


だから、阿部さんはこんな酷い事を言うんだろうな。


「バスの時間あるから、私はもう行きますね」


逃げるような形で、私はその場から立ち去る。


悲しいやら腹立つやらで、
真新しい雪を強く踏む。


私の足跡が、くっきりと残って行く。