「あかりちゃんは、学校楽しい?」
「え、学校ですか?」
佑樹の話からのいきなりの質問で、
首を傾げてしまう。
「んー、なんか話題変えようと思って。
俺のせいで空気悪くなったし…。
あー、なんでか俺って余計な事ばっかり言ってしまうんだよなぁ」
そう困ったように笑っている阿部さんを見て、私も笑ってしまう。
「学校は…。
まあまあ楽しいですよ」
そう口にして、わりと学校の事も触れて欲しくない話題だと思った。
現在、学校でいじめられているとかはないけど、
浮いているから。
友達って呼べる子が、私には一人も居ない。
高校生になっても今だ携帯電話を持っていない私は、周りに上手く溶け込めない。
高校入学したての頃は自分から周りに話し掛けたりしていたけど、
段々と自分から周りと距離を置くようになった。
携帯電話を持っていない事が色々な場面で恥ずかしくて、いたたまれなくて。
誰かと仲良くなる事はもう辞めようと思った。
中学校時代は携帯電話が無くてもまだなんとかなっていたけど、
流石に高校生になったら無いと友達を作る事は無理なんだと思った。
「俺も高校時代が一番楽しかったような気がする。
あー、いや、大学の方が楽しかったかな?
殆ど学校行かずに遊んでばっかしてたけど」
そうやって過去を思い出して懐かしんでいる阿部さんの横顔を見ながら、
本当に自分にはない物を持っているのだと惹かれてしまう。
阿部さんもその半生の中で、それなりに辛い経験や挫折はあるかもしれないけど、
きっとずっと満たされて幸せだったんだろうな。



