私が空を見上げていると、
屋上の扉が開いた。
もう時間だと、看護師さんが私を迎えに来たのかと思ったが、
そこに見えたのは鳴海千歳の姿。
「君がここに居ると聞いて」
あの舞台挨拶以来、鳴海千歳には会っていなかった。
「会いに来るのが遅いですよ」
私のその言葉に、少し笑って、遅くなってごめん、と口にした。
「思ったより、落ち着いているね?」
「そうですね」
あの事件後、何度も取り乱し泣き叫ぶ事も有った。
散々泣いて、泣ききったのだと思う。
鳴海千歳は、ゆっくりと私の方へと歩いて来ると、
私の目の前に立った。
「見過ごせない程頬が腫れてますけど、どうしました?」
鳴海千歳の左頬が腫れていて、
経験者の私には分かるが、それは誰かに殴られたのだろう。
鳴海千歳は苦笑しながら、頬を押さえている。
「これね。
彼女に、ちょっと」
彼女…。
一瞬、彼女とは、そのままの意味に受け取ったけど、
それが誰の事か思いあたった。
鳴海千歳の元彼女の、桑田つぐみ。
あの人も、舞台挨拶の時あの場所に居たな。
「君がこうやって世間から隔離されて、どこまで知っているのかは分からないけど。
順に説明すると、あの舞台挨拶の事件があって、あの映画、《最後の涙》は一時的に公開中止になったんだ」
そうなんだ…。
ま、それはそうかもしれない。
「来月辺り、また改めて公開予定だったんだけど。
先日、俺が自身のSNSで、デビュー作が桑田つぐみの作品を盗作したものだと発表したんだ」
「えっ?」
鳴海千歳にとってそれは、世間に知られたくない事。
それを自分から…。
屋上の扉が開いた。
もう時間だと、看護師さんが私を迎えに来たのかと思ったが、
そこに見えたのは鳴海千歳の姿。
「君がここに居ると聞いて」
あの舞台挨拶以来、鳴海千歳には会っていなかった。
「会いに来るのが遅いですよ」
私のその言葉に、少し笑って、遅くなってごめん、と口にした。
「思ったより、落ち着いているね?」
「そうですね」
あの事件後、何度も取り乱し泣き叫ぶ事も有った。
散々泣いて、泣ききったのだと思う。
鳴海千歳は、ゆっくりと私の方へと歩いて来ると、
私の目の前に立った。
「見過ごせない程頬が腫れてますけど、どうしました?」
鳴海千歳の左頬が腫れていて、
経験者の私には分かるが、それは誰かに殴られたのだろう。
鳴海千歳は苦笑しながら、頬を押さえている。
「これね。
彼女に、ちょっと」
彼女…。
一瞬、彼女とは、そのままの意味に受け取ったけど、
それが誰の事か思いあたった。
鳴海千歳の元彼女の、桑田つぐみ。
あの人も、舞台挨拶の時あの場所に居たな。
「君がこうやって世間から隔離されて、どこまで知っているのかは分からないけど。
順に説明すると、あの舞台挨拶の事件があって、あの映画、《最後の涙》は一時的に公開中止になったんだ」
そうなんだ…。
ま、それはそうかもしれない。
「来月辺り、また改めて公開予定だったんだけど。
先日、俺が自身のSNSで、デビュー作が桑田つぐみの作品を盗作したものだと発表したんだ」
「えっ?」
鳴海千歳にとってそれは、世間に知られたくない事。
それを自分から…。



