湖蘭さんの問いに、通常のこーちゃんなら、「いえ、知り合い兼先輩くらいです」とか言いそうだけど……。
もっと非道いときは、「知り合い以前です」とか言いそうだけど……。
……と言うかなんで俺、こんな冷たいことばっか言うこーちゃんを大事に思ってるの? Мなの?
「そんなとこかなあ」
と、こーちゃんは湖蘭さんに、にこやかに答えた。
俺が脳内でМなの? って喋った直後に聞こえたから、脳内の言葉を肯定されたかと思ってドキッとしてしまった。
けど、普段足蹴にしている俺をここまで頼ってくるなんて……伽藍、こーちゃんに何かして嫌われてでもいるのか?
よろっと、伽藍の足元がふらついた。が、一歩で踏みとどまる。
そしてギッと俺を睨んできた。
「ぜっっったいに! 認めないからな! お前が湖月を娶(めと)るなんて!」
「けいちゃんなら娶られてもいいですよ」
音符でもつきそうな語尾と笑顔でこーちゃんが言って、俺の腕に抱き付いてきた。
え。
「え。もう結婚前提じゃないっ。式挙げなきゃじゃないっ」
湖蘭さんは両手を合わせて目を輝かせた。
いや、話はそこまで飛躍してはいないと思うんすけど……。
俺、娶ろうなんて思ったことないし……こーちゃんは可愛い弟だし……。
「お前ら、何を騒いでおる」
「あら、おじい様」



