――学校へ戻って、生徒会室で幹が大まかなことをこーちゃんに話した。

「そういうことですか……まあ、嘘をつき続けることにならなくてよかったと思います」

「ほんとな。哀淋のご両親迫力だったよ……」

精神的な消耗が激しい俺は、自分の机にぐだーっと伸びていた。

「そこでひとつ問題があります」

お? こーちゃんの言葉に顔をあげる。

哀淋が「え?」と返すと、こーちゃんは指を一本立てた。

「今日の生徒会の仕事が五分の一も終わっていません」

「「「…………」」」

サーッと血の気がひくのを感じた。

そ、そういえば……! 

室内の空気が重くなる前に、俺は顔をあげて言った。

「お、俺今日残れる日だから、みんなは全部仕舞う前に帰って大丈夫――」

幸い今日はバイトが休みだ。帰宅が遅くなっても問題ない。

が、俺に向いた三対の視線は明らかに不満があるようだった。

「前から言おうと思ってたけど、朝宮のそれ、なんか嫌なのよね」

「会長、自分が全部背負えばいい思考っすよね」

「みんな帰って来たんだし、全力で終わらせてさっさと帰りましょう?」