「はじめまして。一年の浅井音々です」

そう頭を下げて挨拶をした浅井は、凛とした佇まいで、さすが首席と思わせるところがあった。

「生徒会長の朝宮蛍都。あと、副会長の哀淋蔦子と、書記の緒方幹。幹は同じ学年だから知ってるか」

哀琳と俺は、一年のときも生徒会で繰り上がった形だ。

幹は当初から希望があって生徒会に入っていた。

うちは基本的には生徒会選挙などは行われず、希望者が生徒会入りする形だ。

まあ、結構多忙で部活と両立は難しいから、希望者は毎年多くない。

かくいう俺は、中学のときは陸上部だったんだけど足を痛めて高校で部活に入る気はなかったから、じゃあ生徒会でも、という感じで入った。

浅井は、じっと俺を見て来た。

「……朝宮先輩、蘭のことよく見てますよね?」

「は? らん?」

って、誰?

「蘭丸湖月。私の親友です」

そこで初めて、こーちゃんの今のあだ名が『蘭』だと知った。

そして浅井の目は鋭くなった。

「生徒会のお話をお聞きする前に、少しお話いいでしょうか」