「でしょうね。私もよくわからずやりました」
「それはちょっと軽率だろ。やる相手間違ってたら蘭丸が危ない目に遭ってるぞ?」
緒方くんの顔は真剣で、からかっているとかいう風には見えません。
ついでに言うと蔦子先輩はまだへどばん? をしていて、伽藍は両手を胸の前で震わせていて、けいちゃんはぼけっとしています。
「腹蹴って逃げるのは駄目ですか?」
「蘭丸武道の達人なの?」
純粋な目で訊かれました。
「子供の取っ組み合いレベルですね」
偉そうに言うと、緒方くんは「おい」とツッコミの眼差しをしてきました。
「その辺のやろー相手でもそんなんじゃやべーだろ。蔦子姉ちゃんじゃないけど簡単に危ないことし過ぎ」
……まあ、一般的に言えばそうですよね。
そして蔦子先輩に心配をかけるのは本意ではありません。
「……ちょっと反省する気になりました。気を付けます」
「うん。で、会長を驚かせてどうしたかったの? ついでに五月女先輩大丈夫?」
同じ行動を継続中のけいちゃんと伽藍を横目に緒方くんがこそっと言ってきました。
緒方くんって割と正直に話せるんですよね。誤魔化す必要がないと言うか、飾る必要がないと言うか。
なのでここも正直に話しておきます。



