トコトコ緒方くんの方へ歩み寄ると、声をひそめて話してきました。
緒方くんは椅子に座っているので、ちょっと前かがみになります。
「蔦子姉ちゃん、蘭丸のこと可愛がってるんだよ、あれでも。立ち位置的に言うなら妹みたいに見てるから、ちょっと過保護発言すんだわ」
「そうなんですか。初耳です」
蔦子先輩の妹ですか……悪くないですね。
湖蘭姉様が私にはいますが、名乗るだけでも身内にいる姉とはまた違うかもしれません。
緒方くんは軽く息をつきながら話します。
「蔦子姉ちゃんが無自覚だからな。傍から見てりゃそんな感じなんだよ」
そうなんですか……では学内でそう感じている人もいるかもしれませんね。
「……なんか蔦子先輩には申し訳ないことしちゃいましたかね」
「いや……蘭丸が考えあってしたことならいいんだけど。会長を再起不能にさせたかったのか?」
「ちょっと驚かせようかと」
先ほどの答えが本音だったので素直に答えると、緒方くんは肩を落としました。
「ごめん、蘭丸のさじ加減全然わかんね」



