椅子に腰かけながら哀淋が訊いてきた。
「愛称だよ。お客さん同士でそう呼んでるから、スタッフもそう呼んでる。そういう洒落の通じる場所なんだ」
「それにしてもさっきまでの朝宮と違い過ぎる……」
だろうな。背もたれに深く体を預けて、軽く腕を組む。
「俺の猫かぶり歴はこーちゃんより長いからな。こーちゃんの猫かぶりなんて一歳児くらいのもんだ」
「俺ら蘭丸だけじゃなくて会長にも騙されてたんですね……」
幹が、呆れたのか諦めたのか長く息を吐いた。
騙している気はなかったんだけどなあ。人当たりよくしとくと何かとお得だから素で話さなかっただけで。
だからと言って俺は、自分を偽っている、とか、本音で話したい、とかは思ってこなかった。
「それでなんで三人が一緒にいるんだっけ?」



