幹のお兄さんが湖蘭さんの彼氏だったのには驚いたけど、それで『湖風』が『あいりん』に縁談を持ち掛けた理由もわかった。

そしてともすれば伽藍に味方しそうな時さんに、こーちゃんと俺のことは何も話さないように言ったわけだけど……。

「五月女伽藍(さおとめ からん)。一年の蘭丸湖月のはとこです」

……なんでこいつが転校してくる。しかも俺と同じクラス。

翌週の月曜日のことだ。

制服は仕立てが間に合わなかったのか、前の学校のものだろう姿で現れた五月女伽藍。

HRが終わったら即時さんに確認することを決めた。

そして伽藍からこーちゃんの名前が出ると、クラスメイトの視線は一気に俺に向いた。ま

あ、俺がこーちゃんと付き合ってると思ってる人もいるし、完全否定したこともないし。

その視線の動きで伽藍も俺に気付いたのか、思いっきり睨んできやがった。

男の嫉妬はみっともないねー。と、俺は余裕を持った笑みを浮かべた。

内心、くそ俺とこーちゃんの学園生活邪魔しにきやがったな邪魔者め。……とか思いながら。

「はー、疲れた」

放課後、生徒会室に入ると既に幹がいた。

俺はカバンを床に置いて、椅子に思いっきりもたれかかった。

「まーた新聞部が騒いでますよ。蘭丸の美形はとこが転校してきたって」