時さん似の性格で当主はってるってことですかね。

ノリのいい性格、おちゃらけた性格ってあたりでしょうか。

「なんか、こーちゃんの『大伯父様』とか『姉様』って呼び方といい、身内に『様』づけするとかみんな育ちの良さでるなあ」

けいちゃんがしみじみと言いました。私の呼び方に関しては今更な感想ですが……まあ、私も友達で身内を『様』づけする人はいなかったですね。

「ああ、父様母様呼びして友達に驚かれたことあるわね」

「うちはばあ様だけですよ。あとはふつーに父さん母さんって呼んでます」

蔦子先輩と緒方くんが続けて言いました。

蔦子先輩の家の方が厳粛でしょうからねえ。

「俺なんてそんな呼び方もしねーもん。それで、幹のおにーさん? 湖蘭さんと別れろとか誰も言いませんから、代わりに俺らの言うこともきいてもらえません?」

うん? 何か要求する気ですか? 少しだけ、けいちゃんの瞳の光が暗くなったような気がします……?

「なにかな?」

時さんは警戒しているのかいないのかわからないくらい、さっきまでと変わらない口調です。

「湖蘭さんとのことには口出ししないんで、俺とこーちゃんのことにも口出ししないでください。つまり伽藍に何も言わないでください」