「朝宮先輩を蘭に惚れさせておくと何かと便利かなーって」
「……なんか思惑は聞きたくないな……。ってか、それは無理じゃないか? 蘭と蛍都さんが仲良かった? っつーのは――――」
聞こえない聞こえない聞こえない。
私は耳をふさいで神羅万象に背を向けているのです。そうです。私は今修行武者です。きっと仏教とか密教とかキリスト教とかゾロアスター教とか学ぶべきことがたくさんあるのです。今こそ悟りをひらくのです。
「え、そうだったの?」
「うん。実は、って話なんだけどな」
「全然そんな風には見えなかったけどねえ……」
「まあそこは似た者同士ってことかなー」
うおおおおおおお! 雑念が! 好奇心という名の雑念が音を拾ってしまいます! えーと……天御中主神(アメノミナカヌシノカミ)よ!
「相当混乱してねーか? あいつ」
「今日は色々あったからね。西条くんは彼女とか出来た?」
「あはは。全然。むしろ失恋したばっかよ?」



