私の投げやりな返事に音々は「なるほど」と答えました。
適当を言ったので肯かれても困るんですが……。
「でも会長ってほんと蘭に弱いよね?」
「そうか?」
弱いと言うかちょろいと言うか……。
「学園新聞読んだけど、女子に興味ナシな人だったんでしょ?」
「みたいだな。あー、明日が憂鬱」
自分の言葉につられて両肩が下がってしまいます。
「まあ地元まで来れば蘭の猫かぶりも気にしなくていいんだから、気楽にしてたら?」
「いや、別に猫かぶりで息詰まることもないんだけど――」
「あれ? 蘭と浅井?」
音々と話しながら歩いていると、名前を呼ばれました。
覚えのある声です。
声の方を見れば、地元の公立高校の制服の男子がいました。
「あ。おーい、斗賀―」
私が手を振ると、その男子――西条斗賀(さいじょう とが)がこっちへやってきました。
私の小学校からの同級生で、音々とは中学からの同級生です。
「久しぶり――ってうわ! びっくりした! 蘭が女子してる!」



