「ご、ごめ、こー」
「何故同じ轍(てつ)を踏みますか」
また『こーちゃん』と呼ばれる気配だったので、じろっと睨んでおきました。
「う……俺と――」
「青春してるとこ悪いんだけど、君ら今日仕事してる?」
キイ、と少しだけ音を立てて扉が開かれ――笑顔なのに暗さをまとった九条先生が姿を見せました。
けいちゃんと蔦子先輩と緒方くんがひっと息を呑む音が聞こえました。
一応生徒会新参者の私ですが、九条先生が穏やかなだけの人ではないことは知っています……。
心の中で私もやべ、とつぶやきました……。
「朝宮くん、新聞部になに報道されても生徒会の仕事に支障をきたさないならいいんだけどね? 蘭丸くんが辞めるとかになったらかなりの痛手なんだからね?」
「そういや蘭丸、『庶務(仮)』って書いてあるっすね。そろそろ入ったら?」
「あー……」
緒方くんに言われて、確かに腹をくくる頃かなあ、と思いました。
「こー……じゃない。蘭、辞めるつもりもあった……?」
けいちゃん……そろそろ慣れてください……。
私は心の中にひとつため息を置いて、「いえ」と答えました。



